特集 ブータン旅行記

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2009 BHUTAN

旅行の日程
平成21年3月26日~4月2日
旅行の目的
仏跡参拝
旅行の参加者
臨済宗 大本山 建長寺 仏跡参拝の会・管長猊下・末寺住職等・一般信徒

ブータンの国教はチベット仏教のドゥク・カギュ派(ロ・ドゥク派)で上座部仏教的な出家戒律制度も広く包含する総合仏教です。
国王は国教を基盤とした政策に基づき、国のすべてが仏教に包まれています。

1972年に、ブータン国王ジグミ・シンゲ・ワンチュクが提唱した国民総幸福量とはブータンの開発政策の根幹をなす概念で、 「国民全体の幸福度」を示す"尺度"である。国民総生産(Gross National Product GNP)で示されるような、 金銭的・物質的豊かさを目指すのではなく、精神的な豊かさ、つまり幸福を目指すべきだとする考えから生まれたものであり、 現国王は、国民総幸福量の増大は、経済成長よりも重要であるとはっきりと述べています。
2007年に初めて行われたブータン政府による国政調査では「あなたは今幸せか」という問いに対し9割が「幸福」と回答しました。

ブータンの政策の中では、自然環境の保護、有形、無形文化財の保護、そして良い統治です。
経済開発に一辺倒になって、自然環境が破壊されたり、ブータンの伝統文化が失われてしまっては、 何の意味のないというのが政策の精神です。
国土に占める森林面積は現在約72%で、今後も最低でも国土の60%以上の森林面積を保つ方針が打ち出されています。

インド、ネパール、チベットと国境を接するヒマラヤの小国「神秘の国・ブータン」への旅。
今回はタイの首都・バンコクから国営のドゥック航空にてパロへ向かいました。

ドゥック航空は2機の機材のみで運航しており、しかも座席数は120席弱!という小ぢんまりした航空会社です。
ヒマラヤの山並みを眺めつつブータン唯一の空港。パロ国際航空に到着です。

パロの空港は山間の谷間にあり、離着陸は世界で一番難しいのではないかと言われている小さな空港。

平地の少ない山国ブータンで唯一空港を造ることが出来たのがパロの街を流れるパロ川の川原。
日本の地方空港のような小さな空港ですが、その建物は細部までブータンの伝統建築を取り入れ建てられています。

ヒマラヤの小国・ブータンの首都ティンプ-のなんとものどかな町並み。
人も犬もみ~んな穏やかに過ごしています。
ガイドさんが「現金や貴重品をホテルの部屋に置いたまま鍵をかけずに一日出かけても問題ないですよ。
テーブルの上にきちんと整理して並べておいてくれます」と笑いながら言われたことには驚きましたが、 通りすがりの人々の穏やかな顔や瞳を見ているとうなずける気がしました。

国民の95%以上が信仰深い仏教徒であり、悪い事をすると来世で人間として生まれ変わってくる事が出来ないとされています。
首都ティンプーのシンボルにもなっている、第3代国王を記念して建てられた巨大な仏塔の前では熱心に五体当地する人々の姿を 見ることが出来ました。
日本では信じられないほど、皆穏やかで優しい純粋無垢な人々です。

家からお坊さんがでるとその家は幸せになると信じられています。
途中で立ち寄ったデチェン・ポダンと呼ばれる寺院には6歳位の小僧さんから青年僧まで、多くの僧侶が暮らしていました。

現在は国立僧侶学校となっているこの寺院は、かつてのティンプーのゾンが建っていた所でもあります。

「ゾン」とは宗教と政治の中心となる施設。ここはブータンの中心である、首都ティンプーのタシチョ・ゾンです。
右側の建物がお役所、左側がお寺として実際に機能しています。
伝統的なブータン建築様式で建てられたこの巨大なゾンは驚くことに釘を一本も使わずに、ミゾとホゾだけの木組みで建てられています。
内部には王様の執務室があり、ブータン宗教界の最高権威であるジェ・ケンポ大僧正のお部屋があります。
国王が仏教を信仰し、各県のゾンは全て役所とお寺が一体化しており、国中が信仰に満ち溢れています。

タシチョ・ゾンとは「祝福を受けた宗教の砦」という意味。ここはそのタシチョ・ゾン内のキンレイ(講堂)です。
入口左右の壁には六道輪廻図等の美しいマンダラが描かれていました。

内部の壁一面には、仏画が隙間無く描かれており、正面にはお釈迦様の巨大な仏像が納められています。

「ラ」とはブータンの国語であるゾンカ語で「峠」という意味。
ここは首都ティンプーと、かつての冬の間の都であったプナカを繋ぐ幹線道路沿いにあるドチュ・ラ峠(標高約3100m)。

遠くにブータンヒマラヤの山並みを望むその場所には、2004年に先代国王の王妃によって 108のチョルテン(仏塔)が建てられました。

父なる川「ポ・チュ」と母なる川「モ・チュ」の合流点に建つプナカ・ゾン。
周囲には温暖な田園風景が広がっています。

このプナカは低地に位置し、暖かな気候のため、かつては冬の間に首都が置かれていた場所でした。
現在はティンプーが恒久の首都になっていますが、今でも宗教界の総本山は冬の間、このプナカに置かれています。

県知事のご案内で参拝させていただいたプナカ・ゾン。急な階段を登ったその入口には色鮮やかな仏画が描かれています。

奥に見えるのはマニ車。中に経文が納められており、時計回りに一度回すと、一回お経が唱えられたことになります。
左手に描かれているのは四天王のうち北の方角を護る多聞天(毘沙門天)。

日本では宝塔を持つ多聞天は、ブータンではナムトセと呼ばれ傘蓋と宝石を吐くマングースを手にしています。

遠く山腹に見えるのはブータン随一の聖地であるタクツァン僧院。
ブータンに仏教を伝えたといわれているグル・リンポチェ(パドマサンヴァバ)が虎の背中に乗ってヒマラヤ山脈を飛び越えて、 この地にやってきました。タクツァンとは「虎(タク)」の「巣(ツァン)」という意味。

これよりその聖地・タクツァン僧院まで参拝登山修行!

なんて所にあるんだぁ!タクツァン僧院!!

崖に貼りつくようにして建てられたこの僧院までは登山口からゆっくり歩いて約3時間の行程。
内部にはグル・リンポチェが瞑想したという洞窟が残っています。

1998年に火災によって焼失してしまったこの僧院。現在は修復も終わり内部の参拝も可能となっています。
その火災の際、グル・リンポチェが瞑想した洞窟だけはありがたい力で護られ、火災の影響を全く受けなかったそうです。

聖地の参拝を終え下山した後は「突撃! 民家の仏壇訪問!」

それにしてもすごい!仏壇ではなくて仏間だ!!
ブータンの民家には必ずこのような仏間があり、家の中で一番お金をかけるのはその仏間だそうです。
ブータンの人々の篤い信仰心が伝わってきます。

訪問したお宅ではお茶うけとバタ-茶を頂きました。

とうもろこしやお米を炒ったり、潰したりして作る「ザオ」や「シップ」と呼ばれるお菓子。
口に入れるとどこか懐かしい味がしました。